The Art of Wind playing 管楽器演奏の技法

2012.06.20 3:02:30

アーサーワイスバーグ著 田中雅仁訳 音楽之友社出版の

「管楽器演奏の技法 技術から芸術へ」
The Art of Wind playing

私が持っているのは第2刷の昭和63年12月のもの。消費税込み1545円であることが歳月を感じると思った。アマゾンでは参考価格が2500円で、中古が6000円~になっているのを見て、またショックを受ける(笑)

というのは、いろんな本を読んでみるけど、
やっぱり、この本はいいな。と思って教材としてすすめようと思って調べたからです。

当時購入した理由は、「技術から芸術へ」という言葉にしびれたからという、まあジャケ買いでして(笑)中身がどうとかわかっていたわけではありません。
でも読んでみるとほんとに素晴らしい内容です。
差し込まれている図や表が、CGではなく「お手製」なのも、気に入っているというか温もりがあって読む気になります。

例えば
弦楽器の表現を目標にといわれても、
何をどうするのがそれらしくなることなのかわからなかった私。
音楽のイメージ、耳で聞いたものを素晴らしいと感動していても、
残念ながら、実践に置き換えるときの明文化されたヒントについてはあまりたくさん持ち合わせなかったのです。

この本には
弦楽器の音色のレゾナンスについて
考察されていて
管楽器の特性をふまえつつそれに近づけるための具体的なアプローチの仕方が書かれています。
レゾナンスのテクニックはディミヌエンドのテクニックの延長線上にある。


わかる人には自然にわかってあたりまえ、できる人はいちいち明文化されてなくてもできるのですけど、


あれこれ自分を漠然といじりこんでるとしまいには結局どのくらいのサジ加減なんだよ!と勝手にイライラしてきたりするんですよ(笑)。そんなときこの本にしがみついてます。

今日はアルペジョについての示唆に救われました:->。

なんちゃってをはっきり否定している文もあり、
そこを見つけて
「全くそのとおりです。それを失ってはいけない。芸術を求めて氷の海でも泳いでいく。」
と素直に受け止めている日
「わかってますけど、今現状としてこれが私の精一杯なんですよ。B級なりに今を、なんとかせにゃ、生きぬかなきゃどうにもあかんのや!なんちゃってでもやるしかないのや!」
と勝手に何弁だかわからない言葉でひとりキレてる日(笑)
これまでに両方の気持ちを何回味わったことでしょうか。
開き直ったりいじけてみたり(爆)

しかし中古が倍以上で取引されているということは、絶版なのでしょうか。
私にとってはスタイルの解釈の基本もこの本は難しすぎなくて、けっこう忙しいときに部分的に読むにもつかみやすくて実用的な一冊です。

絶版なのでしたら、すごく残念です。。


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