三方一両損

2012.06.10 2:52:24

大岡越前のおさばきとして有名な?三方一両損。
江戸時代までは実在した調停の方法らしいです。

三方一両損のお話はお金をとりあうのではなく、三両拾った左官屋は「お金が欲しくて届けたんじゃないから受け取れない」
三両落とした大工は
「落とした金は自分のものじゃないから受け取れない」
は、互いに三両を受け取れないと譲り合っているので
話が発端が今の感覚では美談になると思いますが
当時は互いに譲れない意地とかプライド、沽券にも関わる問題だったのではないでしょうか(・・;)。

三両手放すよりも
三両受けとるカッコ悪さの方がリスキーなんだと
考える双方がもめたのですから。


そこでは大岡越前が一両出して、左官屋さんと大工さんが互いに二両持ち帰ることで、みんな一両づつ損した?ことで解決するというお話。


わたくしは、これはほんとに三方一両損なんだろーかと疑問なんですね。
だって「落とした三両もらうわけにはいかない」「拾った三両もらうわけにはいかない」と意地をはりあっていたんだから、ほんとは二両だって受けとりたくないんじゃないですか(笑)?

多分、「越前にこのさい一両だして欲しいから」みたいなことは微塵も考えてなかった思います(´Д`)。

ただ一両だしてでも話をおさめようとする
越前の
“意気に感ずる”
ものがあって、妥協したんじゃないでしょうか。


でもね、越前ともなると、年中お忙しいから
「このさい一両出してでも他の仕事する時間が欲しかった」
のかもしれないですよ。大岡様のスケジュールのご都合もあったかもしれませんよ(笑)。早期解決も得のうちととらえたら何回も二人を延々と話し合わせてそれに付き合い続けるより一両出して妥協してもらう方が、トータルでおしらす経営としてはローコストだったかもしれないですよね。


三両受けとることが
この審議の当事者の大工と左官屋にとって
「得」じゃなかったこと、受けとることがカッコ悪いという信念が両方にあるからもめたんですから、
二両もらっても 「一両損した」ことにはならないと思うんですよね(笑)。
ほんとは意地で受けとりたくないお金を、我慢して互いに二両だけ受け取った結果になったんですから


左官屋と大工は二両受けとることで
「三両を受け取りたくない意地」を ひっこめたわけです。
みんな一両損してるから納得したわけじゃないんでは。
きっと越前がポケットマネー出す姿勢とか何かのお人柄などに感動したので
二両受けとり話を終わらせることにしたのです。

それを三方一両損と言われては

ほんとは左官屋と大工が
「お金を受けとるのが世の中得なんだ」「手放すのは損」
という前提で生きる時代の感覚になってしまい、
譲り合った二人の江戸っこ(笑)の意地と美学が生かされきれているとは
おもいにくくなりませんか~。



テレビで再放送されるときこの回があったらじっくりとこのなりゆきを見てみたいと思います:-)