十勝の旅 2

2008.11.13 12:34:03

十勝川温泉に宿を取った。
21:00時ちょい前にチェックイン、部屋で持ち込みの日本酒を飲んで0時ごろ露天風呂に入った。

十勝川に面して十勝大橋の綺麗なつり橋のラインが見える。
もちろん風呂にも酒を持ち込んだ。

女風呂から、「何々君いる?」の声。
「う・ううん!」と答えると、色っぽい声になったので、あわてて、「ごめん!」と答えてしまった。
風呂場ではどんな声にもダーリンの声に聞こえてしまうらしい。

気まずくなりそうなとき、・・・君が入ってきた。

思わず彼に、「・・・君かい!女風呂の彼女が君に声をかけているよ!」と・・・おせっかいをしてしまった。
でもこうなったらこっちのもんだ、声をかけられた強みで彼女に声をかけた。
「そっちはだれか他の人いる?こちら三名!」
「だれもいないわ、私一人」
「じゃ、これから行かせるからね、・・・君」
「早く行ってやれよ、だれもいないってよ!」
「え・・・!行けるんですか?」
「あったり前だよ、こんな景色のいいところ、女風呂だって同じ景色を眺めているよ」
「馬鹿!早く行け!」
彼はなかなか行こうとしない、やっと心を決めて隣を覗いた瞬間、
「あ・・!誰か来る!」で終わってしまった。

それから長々と露天風呂説教が始まった。
「君はどこから来たんだい」
「東京ですが、長期出張で旭川から帯広に来て、彼女と待ち合わせました。」
「え・・!彼女東京から?それなのになんでこんな大型ホテルになんて予約したんだ。
ちゃんと調べればここには、メトウ温泉とかオンネトー温泉とかカップルがゆっくりできるところはたくさんあるはずだ」
「会社の出張なんです、技術の人と二人で来たんで・・・。」
「馬鹿・・!彼女、東京から呼ぶのに、そんなしょぼい旅行で呼ぶな、ちゃんと休み取れ」
「すいません」
「女は男のそんなところを見ている、今は良い、お前に惚れてのぼせているから、でも後でよーく考え出したら、ちょっとおかしいナーと気がつく、私だけが頑張って、・・・君は何にもしてくれないと思うのだ。お前本当は惚れてないんじゃないか?あんまりせっつかれるからしょうがなく呼んであげた、きっとそうだ・・!そうだろ・・!」
「そういうわけじゃないんですけど・・。」

「彼女の名前は?年は?」
「・・・といいます、25歳です。」
「そうか、お前は悪いやつだ、もてる事でいい気になっている」
「すいません、勉強になりました」
「ん・うん、ま一杯飲め・・。」

それから・・・女風呂に声をかけた。
「・・・ちゃん、俺出るからこっちにおいで。誰もいないから!」
「・・・・・・。」
もう、彼女の返事はなかった。

どうやら、俺がずっと邪魔をしてたようだった。