十勝の旅 3

2008.11.14 11:44:49

温泉の朝、音響さんの電話で起こされた。
「後15分ですよ!」
あわてて起きて食堂に行った。
「あれ・・、時間過ぎちゃったんですか。」
従業員が時計を見せながら、
「9時半までなんですが」
時計はチェックアウト5分前を指していた。

半分眠りながら、ぼさぼさの髪と顔で宿を後にした。
今日も雲ひとつない十勝晴れだった。
トマム出口までは昨日と同じ宗男道路、途中の日高山脈のトンネルの手前では半月ほど前、観光バスとヒグマとの熊身事故(人身事故じゃない)があって熊が死亡していた。
しかしトンネルを過ぎたところにある牧場は圧巻だった。
ヒグマの心配をしながらも、しばらく車を降りて眺めを堪能した。

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日高山脈WEB.jpg

              富良野広域串内牧場

高速を出てからは来たときとは違う富良野経由を選んだ。
気温は初冬としては暖かい15度、速度も60キロで後ろから来る車には左によってあげた。
穏やかな小春日和にこんな大自然の中にいるだけでうれしく、急いで帰る理由は何もなかった。

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                      正面が芦別岳(1727m)

富良野について、倉本聡のテレビドラマ「優しい時間」で使われた、「森の時計」という喫茶店でカレーとコーヒーを頂いた。
平原綾香が歌った主題歌のメロディーが静かに流れる店内、何度か来ているが平日の閑散期のせいかゆっくり過せた。
近くのプリンスホテルのベテランの従業員が応対にあたっていたのも更に雰囲気を盛り上げてくれた。

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                           森の時計

音響さんが「この人倉本さんの東芝日曜劇場のドラマ『うちのホンカン』のテーマを歌ったんだよ」
なんて言うものだから、すっかり雰囲気が変わってしまった。
「倉本先生の作品の主題歌を歌っていたなんて、恐縮です。」
とか
「倉本先生、もう少ししたらいらっしゃるかもしれませんよ、最近は富良野に落ち着いて毎日のように来ています」
など、本当に気を使っていただいているのがよくわかるのだ。
私も急に礼儀正しくなり名刺などを渡して挨拶する羽目になってしまった。

帰ろうとしてトイレに入った。
鏡を見たらなんとヒドイ状態か!髭はボウボウ、寝癖の髪の毛がまだしっかりアッチャコッチャ飛んでいた。