日本テレビ開局55周年記念番組

2008.11.25 12:28:32

緊急中継!古代ローマ大発掘スペシャル!!2000年の時を超え謎の地下遺跡を世界初公開」これが夜8時から3時間8分にわたって放送した番組のタイトルだ。

もうどんな「タイトル」を付けても騙されなくなった私はビデオにとって番組を見ることにした。
同じ場面の繰り返し・必要のない説明・ワケのわかんない解説者の不真面目行動などで一時間は無駄にされるだろうと思ったからだ。

爆笑問題が、東京でメイン司会を務め、中山アナウンサーが現地から中継するという仕掛けで思ったとおり番組は進んだ。

一言でひどい番組だった。
ある程度ローマの歴史に興味を持っている人がチャンネルを合わせるはずだ。ところが構成は爆笑問題が司会するのだから何か面白いだろうという人のためだけに作られていたのだ、地下遺跡とは関係ない、興味あるものなら少しは知っているローマ皇帝時代のエピソード短編集だった。

①カリキュラ帝の浪費②ポンペイ物語③道路・水道物語④ネロ物語⑤カエサル・クレオパトラ物語⑥グラディエーター・スパルタクスの乱であった。
何一つ「タイトル」とは関係がない、3年前のこの発見がネロの黄金宮殿か?というだけである。
モザイク画2面とフレスコ画2面合計4面の壁画を見せてくれる、それはすばらしいことだ。でも見せてくれたのは3時間8分の番組でわずか12分程度だった。
エピソードを映像などで作りこんだ部分が1時間20分、残りはスタジオでの時間稼ぎと現地のやり取り、そしてCMだった。

そして、やたらに使われたのが「ワー」「ウォー」「凄い」「びっくり」だった。
むなしかったのは何度も「ここはあのネロの黄金宮殿の後の可能性がありますよね?」と現地の研究者に聞く場面だった。研究者は「ノン!まだ解りません」と答えていた。
当たり前だ、可能性で「ハイ」とは絶対言わないはずだ。

悲しい場面がもう一つあった。中山アナウンサーが素手でモザイク画の破片を拾おうとしたとき、手袋している研究者から「ノン」といわれて手袋を渡されている場面だった。

「TV世界初公開」をやたら連発する、「イタリアでもまだ公開されてない」とも。
逆を考えた、昔、もし金で高松塚古墳の壁画が日本ではなく外国のTV局に世界初公開されたとしたら。
まだまだ発掘途中の壁画であった。イタリア人のことである、世界初を有難がり、こんな中途半端で巨額な金をくれるのなら「ま・・、いっか!馬鹿な日本人」と案外ほくそ笑んでいるかも。