泰平の世の後

2008.11.11 0:02:09

戦後50年とも60年ともいえる泰平の世を日本は謳歌してきた。
どん底から跳ね上がったのだから、なんとすばらしいと自画自賛してもしょうがないところか。

われわれの子供時代は悲惨なといっても過言でないほど、敗戦の国がアメリカから独立するところから始まったのだから、今から見ると笑ってしまうぐらいの貧乏から始まった。
着ている服はお下がり貰い物、お正月に新品の服を着るのは本当に一握りの人間だった。
周りがそんな状態だから、どんな服を着ても恥ずかしくないわけで、昭和30年代に入ると少しづつだが一年一年が確実によくなっていくという実感が生まれてきた。
TVが普及し、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、炊飯器などわずかの間に広まってきた。そしてすべてが当たり前になり、政治も公務員も民間人も行け行けどんどんの雰囲気に慣らされてしまった。

日本のこの時代は技術革新の時代とでも言おうか、世界の歴史の中で何度かあった、鉄の発見、大航海時代のように産業革命後の特殊な時代に敗戦を迎えたという幸運が作用していた。
そしてお上(かみ)からの命令に本当に従順な国民性にもあるだろう。
何しろ一億総中流意識の基、共産党国家でも成しえなかった、マルクス主義を世界で唯一具現化するために一致団結してまとまって今日まで来たのだ(笑い)。

泰平の世は長くは続かない。
いろんな時代の事情は抜きにして、歴史が語ってきたではないか。

明治維新・戦国時代・応仁の乱・建武の新政・源平の合戦・将門純友の乱と大雑把にあげてもこれだけの泰平が引き起こした混乱がある。

そのどれを取り上げても時の政治と公務員の悪行の結果であった。

泰平の間に権力が盤石に成ったように見える。
見えないうちに既得権益が作られる。
人口が増えたり、飢饉が起こったり、無謀な馬鹿公務員が生まれ不満が高まる。
それでも気づかないやつらは自己利益にのみ奔走する。
世の中の数パーセントがなんかおかしいと不満を持つ。
何度か不満がつぶされていくうちに本物になる。
革命が起こるという具合だ。

ここで言う公務員とは平安時代は国司や貴族であり。やがては武士たち、そして官吏たちだ。

平安時代を例に見てみよう。
平将門などは最初忠実な体制側であった。
ところが中央から派遣されてくる国司は何しろ金儲けのために関東に下ってくる。
下総介といわれても警察みたいなもので、土地はあくまでも国司との契約であった。
いざこざが起こって仲介しても、国司が悪いでしょうということになる。
すると都に言上すると、都では賄賂のほうがものを言う。
最初のうちは逃げた国司が悪いと追われることもあったが、次から次から送られてくる国司が同じ金儲けをたくらみそして都に逃げ帰っていく。
話はだんだん将門が悪いという風になっていく、そして爆発する。

平安時代は特殊かもしれないが、何度も何度も同じ過ちを繰り返しているどなたかはいませんか?私には見えるのですが。

時代は平成、昔のように武力ではないにしても、いつか風が変わる日もあると思うのだが。