亡霊!

2011.01.06 23:15:03

はじめに断っておくが、私は幽霊や心霊現象を頭から否定するつもりはないが決して信じているわけでもない。
ましてやTVの幽霊番組は番組を作るための無理やりこじつけているとさえ思っている。
いつだったか除霊と言ってTV番組が作り上げたスター坊主がイカサマ坊主で捕まったこと記憶に新しい。
そんな私が昨夜、とんでもないことに出会った。

場所はまだオープン前の夕方6時「游北眠」の入っているビルのエレベーター。
一階で乗り込んで三階を押し、(閉)のボタンを押した。
ドアは途中まで閉まったが再び開いてしまった、外を見ると一人の男が立っていた。
「乗りますか」
「いや、人を待っているので」
「そうですか」
再び(閉)のボタンを押した。

ところがさっきと同じようにドアが開いた。
少し怒り気味に「乗るんですか」
彼は困ったように「いえ、何もしていません」
又(閉)のボタンを押すがやっぱり何度押しても閉まらない。
あきらめて、エレベーターから出た。
すると、音もなく閉まり、あわてて扉に手を入れたが無常にも閉じて三階に向って動き出してしまった。

「参ったな~」とそこにいる男に照れ笑いの言葉をかけながら、隣のエレベータのドアを開けた。
乗り込み再び三階を押しドアを(閉)のスイッチを押した。

するとここでも同じ現象が起きたのだ。
「うそだろう」と叫びながらもう一度押す、今度はドアがスーッと閉まってしまった。
この時、私の背中に冷や汗が流れた。

「亡霊が最初のエレベーターでは私を拒否し、一度は追い出したが考え直し、今度は一緒にこのエレベーターに乗り込んできたのでは」こう考えると、パニックに襲われ亡霊にお願いするしかなくなった。

「ちょっと、やめてよ俺に付くなよ」「何か怨みでもあるのかよ」「お願いだから」
手を合わせながら大声を張り上げた。「たのむよ~!」

はたしてエレベーターは三階に止まってくれるのだろうか?
「お願い三階で僕を降ろして」と叫んだ。
聞き入れてくれたのかエレベータは三階で止まってくれた。

エレーベーターと店.jpg

店のシャッターを開け部屋に入ったが・・・、また恐怖がよぎった。
「もしかしたら俺を気に入って・・・、付いてきてるんじゃないのか?」
振り返りざま、もう一度叫ぶことになる。
「俺についてきても何にも良い事ないよ、お前にしてやれることは何もないよ!来てもだめだよ!」しばらくパニックは続いた。

夜8時過ぎお客さんが来てやがて一行が帰る時一階まで降りて見送った。
その時ビルの管理人から声をかけられてふりむいた。

「早い時間エレベータのスイッチが故障しておかしかったでしょう?直しましたから」
「あ、そうですか」と答えて・・・、どうして僕が困ったことを管理人が知ってるんだろう?
そして、あることを思い出した。

いつだったかビルの管理室に行ったことがある。
管理室には防犯カメラにより各階のフロアーとエレベータの中の映像が鮮明に写っていた。

エレベーターの中.jpg

彼は私がエレベータの中で誰もいないのに「拝んでいる姿」や、「必死に叫んでいるパニック姿」をずっと見ていたに違いないのだった。