時効

2009.02.27 12:59:23

殺人事件の犯人が捕まらないまま時効を迎えて、無罪放免という事件がここ数年相次いだ。
2004年に出頭して犯人がわかった東京の足立区女性教師殺人事件や2005年時効が成立した札幌のOL殺人事件だ。
又時効が成立した朝日新聞記者殺人事件に至っては、事実は別として週間新潮に赤報隊と名乗る犯人の手記が載る始末だ。
日本は当時の15年では生ぬるいと法改正を試みたがまだまだの状態だ。

こんな時に必ず事実上の反対者(本人は慎重論という)が現れ、評論家や学者が多い。

彼らの言い分に耳を傾けると、
1.事実状態の尊重や犯罪による社会的な影響の減少。
2.事件から長期間が経過したことによる証拠の散逸とその結果冤罪を誘発する可能性。
3.長期の捜査で捜査費用が多額となる。結果として納税者の負担になる。
4.長期逃亡は一種の社会的制裁を受けている。
と言うことになる。

信じられない説明だが
立命館大学法学部大学院教授の松宮孝明氏によると、刑法とは犯罪被害者や遺族の為には無く「警察の捜査力をどのように使って社会全体の秩序を維持するか」の為にあると言うのだ。

私はこんな時の評論家や学者が大嫌いだ!
自分が寄って立つ理論や論文のために大局を曲げたり、必要も無いのに新しい病名をつけたり、自説を通す為に世論調査や統計を使って導いたり、はっきり言っていらんお世話が多い。
もともと人文科学に関する社会・政治・経済・司法・心理学の学者は知識の説明役に徹するべきだと思っているからだが・・・。

一番良い例が経済学者だ、サブプライムローンなどの証券化を推進してノーベル賞までもらった学説がいまや時代についていけなくなって破綻してしまった。
又いまや過去のものとなったマルクスやケインズ経済学の博士論文で現在教授になった者達で今の大学が成り立っている。

先ほどの(1.事実状態の尊重や犯罪による社会的な影響の減少)は噛み砕くと、
「捕まえることが出来ず見事に逃げてしまって難しい事件だし、当時はマスコミも騒いだが、今では世間も忘れかけているし」と言うことだし、(社会全体の秩序を維持)に「被害者や遺族は関係ない」という事になる。
そんなバカな!

時効のない米国では、未解決の30年以上前の事件において、残された証拠へのDNA鑑定によって真犯人が検挙され、有罪に持ち込まれた事例が複数出てきている今、真剣に時効問題を(アホな学者抜きで)検討する時期に来ていると思うのだ。
被害者は浮かばれない。