ムジカ・フィクタ ギターコンサート~菅原潤さんを偲んで

2010.04.02 15:07:35


100429_omote.jpg


100429_ura.jpg

---
若手ギタリストの勉強会である「ムジカ・フィクタ」は、当時月刊「現代ギター」 誌の編集長であった故・菅原潤さん(2009年12月30日逝去。享年53歳)の肝煎りで2001年頃に結成、当時ヨーロッパ留学を終えて帰ってきた数名と、国内でコンクールを受けるなどプロ・ギタリストを目指していた若い世代が門下を越えて集まり、切磋琢磨しながら約3年間活動いたしました。このたび、昨年末の菅原さんの逝去に伴い有志が集まり故人を偲んでの演奏会を開くことになりました。菅原さんの思い入れが深かったというソルの「幻想曲op.54」、ブローウェルの「空、空気、そして微笑み」、晩年好んで弾いていたというレゴンディの作品を含めてプログラムを組みました。菅原さんのギターへの熱い思いを受け継ぐ演奏を、お楽しみくだされば幸いです。


4月29日(木)19時開演
会場: 杉並公会堂小ホール
出演:金庸太・新井伴典・坪川真理子・服部文厚・河野智美・足立江美子・松田弦・山村剛
チケット: 前売2,000円 当日2,500円 全自由席
予定プログラム:
幻想曲Op.54 bis(F.ソル)
鳥の詩(佐藤弘和・委嘱初演)
空、空気、そして微笑み(L.ブローウェル)
スピン(A.ヨーク)
宗教的な祈りの断章Op.31-23(F.ソル)
「もしも私が羊歯ならば」による変奏曲Op.26(F.ソル)
夢、エチュード第1番(J.レゴンディ) 他

主催:ムジカ・フィクタ
ご予約:こちらからご連絡ください。
http://www.harada-music.co.jp/tomomi/contact.htm
---


~菅原さんとの思い出

Mexico077.jpg

2003年、メキシコのメリダでのフェスティバル(GFA)にて

このとき、いつもストレートにもの言われる菅原さんには、将来に関するある重要なことを指摘された記憶があります。私はその後CDリリースし、イベントが一段落した後は数年間別の仕事の比重を高めてしまいましたが、昨年演奏を聴いていただく機会があったことは幸いでした。コンサートを企画していただいたり、活動を喜んでいただいていたような気がします。

好きなことに関してひたすら一筋だった菅原さんとの思い出は、決していいものばかりではありませんでした。ストレートに突き進んだ菅原さんは、周囲の人の胸裏に様々な布石を投げかけている・・・ただ思い出して悲しい、というのではなく様々なことを考えさせてくれるのです。亡くなられてからますますその存在感の大きさに驚くほどです。
研究された膨大な資料はもちろん大切な遺産ですが、その布石こそが菅原さんが遺した大きなものだったのかもしれないと今は思います。


ギター界では若手の育成が大切だという考えから、その一環として「ムジカ・フィクタ」も応援していただきました。ネーミングを決めるときに参加してくださったときのこと、毎回コンサートに顔を出してくださったこと、いろいろ思い出します。当時金さんの呼びかけで私もグループに参加できたことはラッキーなことでした。


今回、菅原さんのことがきっかけで一夜限りの再結成となりましたが、数年間一人ひとり積み上げてきたものがあり、当時とはまた違うアンサンブルとなりました。

8重奏による「空・空気・そして微笑み」「スピン」の他、デュオ、トリオのアルポリールによる佐藤弘和さんの新作初演も含まれます。
また、ソロは山村剛、松田弦、河野智美です。
私はレゴンディ「エチュード1番」「夢」の予定です。

菅原さんをよく知っている方も、まったく知らないという方ももちろん
盛りだくさんで楽しんでいただける内容になったかと思います。
ゴールデンウィークに差し掛かっていますが、ぜひお越しくだされば幸いです