コレリ大尉のマンドリン。ラッパもよし

2012.04.15 0:27:21

1940年のギリシャ ケファロニア島に ドイツとイタリアの軍隊が滞在していたときのお話。

ニコラスケイジがイタリア軍の大尉コレリ、ペネロペクルスが島の医者の娘フェラキアを演じています。

いつも歌っているコレリたち。
フェラキアは、
『歌ったり、楽器をひいたり文化じみたものをひけらかして、私たちを見下しているのね』
と言うと
コレリは
『生まれてから死ぬまで何かの度に(イタリアでは)僕らは歌う。歌を捧げる対象をいつも探して生きているんだ』
と説明したのち
『でもそれが君に嫌な思いをさせてるとは夢にも思わなかった。すまなかった』
と謝りました。

私はこの気持ちの謙虚さというか、

歌っていいもんだろ?
と押し付けないところがまた“歌の国イタリア”の心なのか!と痛く感動(笑)。

別のシーンでは、
コレリはみんなのまえでマンドリンを演奏して絶賛されました。

しかし『いつもより腕が固くて、気持ちもあらわせなくて上手く演奏できなかった。今まででいちばんうまくいかなかった』とし、

君のために作った曲だからどうしてもあらわしきれなかった。
思いが深く強すぎて…
とフェラキアに愛を告白したんですよ!!
みんなに絶賛されたときに、思いが強すぎて今まで一番うまくいかなかったなんて……そういうアプローチてありなのか?と衝撃を受けまして、
自分もいきなりマンドリン弾いて愛を語りたくなりました。

コレリ大尉が軍服で優しい音楽を奏でているのも魅力的です。


その後ドイツ軍が占領することになり、イタリア軍は武装解除を要求されましたが武装解除するときもドイツ軍からは武器をつきつけられて警戒されたまま。
ささいなやりとりで四人銃殺されたことから、ドイツ軍に抵抗したところイタリア軍は全員銃殺されていました(T_T)。

この映画は、ケファロニア島で実際にイタリア軍の兵士たちが数千人ナチス時代のドイツ軍に虐殺された史実をルイ ド ベルニエールが小説にしたものが原作で91年アメリカ生まれの作品。

映画の中では
ドイツ軍の大尉が
『我が国の科学の進歩が答えだ、実力だ』
と言うと
コレリ大尉に
『科学がなんだ。科学は力じゃない。科学があれば勝ちじゃない。大切なのは科学ではなく倫理観だ。倫理観とは弱い人、困っている人がいたら助ける気持ちと行動だ。』
と語ります。


映画の中ではコレリとこの会話を交わしたドイツ軍の大尉が、
イタリア軍が銃殺される場面で肩を震わせて泣いていたこと、
コレリ大尉が虫の息で生きているのをわざと見逃したことなどから、
ナチスドイツがみんなひどかった!的な見方に固めず、
ナチス下でも心が
ファシズム一色ではない人間がいたのだ。
とにおわせるシーンもありました。


島医者の娘フェラキア演じる ペネロペクルスが ゴージャス系ではない、コットン製の服を着ているのも魅力的です。
後からのペネロペのイメージ、磨きあげてピカピカセレブリティ(笑)に飾るのが増えたペネロペも素晴らしく美しいけど
この頃の素朴な作ってない感じも本当に素敵で女性として輝いていてうっとりしました。
みなさんにもぜひご覧いただきたいです。
音楽で愛を伝えたくなりますよ(*^^*)


●そして……追記すると、途中で屋外でイタリア軍が現地の方々への敬意と友好の証として、ダンスパーティーを開くシーンがあるのですが
そこで軍楽隊がダンス音楽演奏の際使っているトランペットはピストンではなく
“ラストラーダ”と同じくまたもやロータリー式でした~。
このダンス音楽の演奏が、ほんと古い感じにメラメラとしていて(笑)いいんですよ~!
しかし私はこういう危険な香りのするむさ苦しい系熱い演奏(笑)も実はバシッとやってみせてみたい憧れもあるのだった!!

ほんとに一瞬しかうつらないんですけどトランペットが何なのかは、個人的に大事なチェックポイントです(笑)!
タイトルはマンドリンですが、いいラッパが聴けますよ(^^ゞ