今夜のニュース、三笠宮寛仁さまが66歳で崩御と報じた。

ひげの殿下といえば、ある思い出がある。

一般の国民が簡単にお会いすることは難しいことだが、

ある理由から、何度か御一緒したことがあった。

1974年から1975年のデビューまで、

私は弾き語りで青山・骨董通りの「コールマン」というお店で歌っていた。



お店のオーナーは、

「月光仮面」・「隠密剣士」の大瀬康一・高千穂ひづる夫婦だった。

当然、当時の華々しいメンバーがお客様として来店した。

歌手では、三橋美智也・坂本九さん、

俳優では志垣太郎、江夏夕子・長谷川町子・大石五郎・目黒祐樹さん。

他にもハイクラスのお客様が多かった。



そんな中に三笠宮様がいたのだった。

私の御ひいきのお客様に離婚して実家に帰ってきた25歳のお嬢様がいた。

今だから、もういいだろう、彼はそのお嬢様に夢中になった。

何度か警戒の厳しい自宅をを抜け出しては夜な夜な青山に現れたのだった。

イギリスのようには行かない日本の皇室、当然お忍び、

しかも結ばれるはずも無い恋路だった。

それでも私の御ひいきさんは丁重にもてなし、

時には私も含めて何度か殿下を食事にお連れしたのだった。

「北海道のスキーヤーといっても私には適わないよ、何しろ私は猪谷千春の直々の弟子だから」と言う殿下に、

「殿下は、厳しいスロープを滑ったことは無いでしょう、危険な場所は！」と言ってしまい。

「今度勝負しよう」と言わせてしまった。

殿下28才、私23歳のときだった。

その後殿下は麻生家のお嬢様と結婚し今日に至ったのは報道の通りである。

時にマスコミに批判をされたこともあったが、

私は密かに自由奔放な殿下の姿を知るものとして、応援していたのでした。

ご冥福を祈ります。