震災の報道

2011.03.16 16:09:57

ススキノの「ゆうぼくみん」を訪れたお客が今回の震災に対する報道にかなり怒っている!そんな印象を受けた。
一般の人の多くは冷静に受け止め、何もできない自分に腹を立て、その矛先をマスコミに送っているといっても良いだろう。

色々と好き勝手に話す内容は「もっとも」と思うことも多かった。
また良く見てるなあと思うこともあった。

たとえば「ヘルメットをかぶって悲壮に話しているアナウンサー、の後ろで動き回っているデレクターや報道関係者はヘルメットをかぶっていなかった。スタジオはどこよりも安全だと本当は思っている証拠、こんな必死なときは必死な姿で充分、下手なポーズはやめろ!」というものだった。なるほど、と思ってしまう。
「東北の津波の状況が映し出されているときに、途中で映像を切り替えて平穏な北海道の海を映し出す。津波の危険を広報するのは良いにしても映像まで切り替えるのはなんともノー天気だった」というものだった。
確かに北海道の局にしょっちゅう切り替わる映像には私もがっかりした記憶がある。

今回の報道では普段報道しているキャスターや局の姿勢が如実に現れたような気がした。
未曾有の今まで経験したことのなかった災害に対して、どう報道するかは確かにシュミレーションができなかったのだろう。
一般の我々でさえ思うことに対してかなりかけ離れた報道と思う節があった。
たとえば、どれだけの死者・行方不明者があふれるだろうと危惧している視聴者に対し、やたら死者100人、行方不明者120人などと警察署や当局が発表する数字を復唱しただろうか。こんなときは映像から想像するだけで充分なはずだった。
マニアルしかできない悲しい連中と感じてしまった。

NHKのスクープ、名取川上空から何波にわたって押し寄せる津波、レポータは叫ぶばかりで「これが津波の実態です、今からでも非難をしてください」ととうとう言ってくれなかった。しかも、まだ引き波になっていない時点で画像が切り替わってしまった。
何を考えているんだろう「一番大事な我々に津波の教訓を与える映像だったのに」

日曜のTBS・関口宏の言葉にも耳を疑った!「菅首相、こんな東京にいないで被災地の中心に行って指示をすべきだ」といったのだ。
首相官邸が日本の災害対策の本部ではなかったか、すべての機能が集中している場所で的確に指示を出すのが今一番求められているときに、仮に仙台に行ったら何も情報が集まらなくなってしまう、何を考えているのか!とあきれてしまった。

スタジオから好きなことを言うのはかまわない、誰かが政・官・民が協力して事態に当たって欲しいと言っていたが、今回の事態はそれにマスコミも加わって欲しいと感じた。
SOSと書かれた病院や学校の校庭を写してそのまま帰ってしまうヘリコプター、救助されたのはその一日半後だったと聞いたが、自ら着陸して何名生存・必要な処置はと聞いてきたほうがより現実的な行動ではなかったか?
取材に飛ぶと同時にもし救命が必要な状況に出会ったら自ら救助活動を行うという姿勢が無かったと言い切れるだろう。大いに反省してもらいたいものだった。

さて今回の原発事件、ロボット大国日本はなぜロボット操作による無人ヘリやカメラ搭載ロボットで現状を把握する行動ができないのだろうか、当事者に脳が無ければマスコミがやってもかまわないのだ。不思議でたまらない。
アメリカ軍の偵察ロボットにお願いする手も在る。この期に及んで軍事機密でもあるまい。
日本の総合力が問われている。