高校時代のイジメ

2010.02.16 17:35:38

最近の記事にもいじめの問題が多く出ているが、44年前のイジメとはどんなものだったのだろうか?

先日の同期会の時の翌朝、ホテルのロビーで我々の受け持ちであった先生と4期先輩の方が話しているところに出くわした。
当時の担任である先生が、去年の彼らのクラス会で集まった時に気になった男がいて、この機会にと呼んだものと思われた。

先生はもう80代であり、先輩は62才頃と思われる。
あいさつをして話に加わると、おおよそのいきさつは、高校時代、同級生や先生達にも見放されて途中で学校を変わったと話していた。

そして当時の事からずっと尾をひく人生で今日まで来た、と語っていたのだった。
出来がよければえこひいきもされようが自分はそうでなく、かえって回りからいじめられたと思っており、ぐれてしまった。

話を聞いていくうちに、かなりの誤解や行き違いがあるようにも思われたが、そんな高校時代を送りその後にも影響を与えていたケースは他にもかなりあるような気がしてきた。
無事に進んでいる人間にはわからない、又去っていったものの事は忘れてしまうというのが常だから、苦しみは本人しか知らない過去の事になってしまうのだろう。

本人には誠に気の毒な体験だったろうと察するのだが、その話をいい加減に扱わないで真剣に聞いている先生の態度に感動した。

語っている先輩に、先生はほとんど否定的な言葉を挟まないで聞いている。
当時のことで明らかに間違って受け止めている事に対しては少し訂正をする程度だった、しかも2時間以上も。

いろいろな個性の人間がいる社会、家族であれ、世代であれ、何か事を真剣に悩んでいる人がいるときに、ただ黙って話を聞いている人の存在はとても大きいものだと感じた朝だった。