福島原発

2011.11.26 15:13:44

飛行機の窓から外を眺め、今どこを飛んでいるのだろうと思うことがひとつの趣味になったのは意外と最近、ここ10年の事だ。

もちろん過去何十年の旅で、幾度も感動した風景に出会って喜んだことがあった。

初めて富士山を見た時から始まり、千歳から名古屋の空路でアルプス越えの風景、3000m級の山を越えながら左遠くに富士山を眺める。

能登半島を横切り海から福井県の海沿いをUターンして小松空港へ、安芸の宮島を眺めながら降りる旧広島空港、博多箱崎宮の鳥居上空から着陸する福岡空港、沖縄から島沿いに羽田に向かう沖縄空路。
数え上げたら切がない、ただ偶然の快晴に恵まれないと拝めない風景だった。

しかし気がついたらもう外の眺めを気にしない旅になっていた。

ある日千歳への帰り道、ふと目を覚ました外の風景に見入ってしまった。
ちょうど秋田、男鹿半島から青森に抜ける海岸線の景色だ!
つい一週間ほど前自分がいたところだった。
能代、白神山地十二湖の景色。
車で通った道、青の池、江戸時代飢饉で秋田に逃げる途中死人の道となったという、大間超街道。
その日から再び空の窓ファンになっていた。
今度はさりげない風景の検証作業であった。

ここは?と思った場所は写真に撮り、地図と比べる、真上から地図と3Dポイ斜めの写真との検証は思った以上に困難であった。
しかしそれが実にうれしい!

先日、11月16日の帰路羽田から千歳は福島原発事故後、初めての快晴とはいかないが晴れの空路となった。

羽田 14:20 離陸
北風に向かい都心方面に、すぐに右旋回、船橋あたりで左旋回。

14:32

1.1432.jpg

柏上空を過ぎて1分、つくば方面、霞ヶ浦、筑波山が見えた。

14:37

2.1438.jpg

宇都宮手前、東海村・水戸市方面が見えた。
おくの緑の森林の右が東海村だ!

14:43

1444 11月16日.jpg

白河上空、翼の先端、小さい雲の下に福島原発が見えてきた。

14:45

4.福島原発1445.jpg

郡山上空、真横に福島原発が見える!
手前から雲の線、4つ目の少し先、写真中央だ!

アップしてみよう!

4.福島原発1445-1.jpg

肉眼でははっきり見えるのだが、写真ではこれが限界か。
三つ目の雲の先、ぼんやりと白い建物が。
事故の日、この場所よりさらに遠いだろう、川俣町が放射能にさらされたことになる。

14:47

5.福島市1447.jpg

福島市上空、町の真ん中に緑の「信夫山」があるので分かりやすい。

14:48

6.1448 11月16日.jpg

福島県と宮城県の県境
茂庭っ湖
七ヶ宿ダム
このダム湖二つの特徴ではっきりと位置が確認できた。
この作業は家に帰ってからの事だった。

改めて地図に位置を記し、思いをめぐらすことになる。

地図原発072.jpg

思いのほか飛行機の速度は速い!
思い出せば撮影中、周りの旅人は皆寝ていた。
キャビンアテンダントが私の携帯を取り上げ、
「電波OFFモードになっていますか?確認させてください」
と言われたときは
「今一枚撮ってから」
と抵抗してしまった。