心・技・体

2011.01.27 0:00:33

昨年より代理ですが大学で教える機会をいただき、
若々しく初々しい学生さんたちと接することができました。
また、アマチュア・ギタリストの会など、いろいろな方の演奏を
聴く機会が増えてきました。

そんな日々のなかでとくに感じたこと、
クリアしていただきたいある課題が

緊張しても自分の持てる力を発揮すること

です。
(もちろん私も一緒に研究し続けたいことです。)


人は誰でも、多分ほとんどの人が緊張します。
なぜ同じだけ練習しても、同じだけ緊張しても、人前で平気な人と崩れてしまう人がいるのでしょうか。

準備の仕方が違う、経験だ、才能だと一言で片付けることもできますが、
その前に、大前提としてスポーツの世界では当たり前に言われる心・技・体の一致
があると思うのです。

このバランスがとれている人は、訓練次第で集中力を持続させることが
できるのだと思います。

どうしたらバランスがとれるのか・・それは人によって様々だと思います。
たくさん練習をすればいい人、おいしいものを常に食べればいい人、
規則正しい生活をすればいい人、いい恋愛をしている人、体を鍛えること、
呼吸法を身につけること etc.


おもしろそうな本を見つけました。
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他にも良い本があるかもしれません。


そしてこの大前提を踏まえ、緊張を軽減するためには、なぜ自分は緊張をするのか、その理由をわかっていることが重要です。
不安要素は暗譜なのか、スケールなのか、タッチなのか、姿勢なのか、音なのか・・・
細かくどの部分なのかひとつひとつクリアしながら練習することが大切です。
これらをまとめて「基礎力」と言うこともできます。

これらは各項目について専門家がいても良いくらい、奥深い技術です。
私も先代や周囲の先生方の研究からまだまだ学びたいことがたくさんあります。


数年前に松井秀喜選手がTV番組で「緊張のメカニズム」について素晴らしいプレゼンをされていました。とても印象に残っています。
http://sade728.blog11.fc2.com/blog-entry-263.html

「己を知る」「いい準備をする」「100%の理論」
「いつもと同じルーティンで集中力を高める」「熟考する」 etc.
とても重要なことが語られています。
時間があれば学生さんには来期に映像をお見せしようと思います。


そして演奏家の場合は、豊かな表現欲やイメージング、和声感や音楽についての知見が加わり、感動的なパフォーマンスとなっていくのだと思います。


自分のなかで最高のパフォーマンスをするまでには、膨大なステージ経験が必要だと
葉加瀬太郎さんも言っています。
http://c.filesend.to/plans/yuigon/body.php?od=20101109.html&pc=1
(ちなみにこちらのインタビュー記事、素晴らしい内容です。)


プレーヤーを志さない学生さんでも、試験では良いパフォーマンスを志す必要があります。またこれらは社会に出てからも様々なシーンで必要となる心得です。


私もまだまだまだまだですが、少ない経験からも準備の仕方に関しては言えることはいろいろあります。
人前で崩れないための方法を念頭にいつもお伝えしています。
(緊張すると崩れやすい楽器、それがクラシックギターです。
これにも理由はあるのです。)


私の場合、ここ数年は(というより昔から)楽器に触る時間が少なすぎることが悩みの種ですが・・・