2009 GFA Convention & International Concert Artist Competition (2)

2009.07.02 14:32:02

今回のコンピティションは37名(?)の参加があり、
セミファイナルには12名、ファイナルには4名が進みました。

課題曲は
Piazzolla『Compadre』(5つの小品より)
Jacques Hetu『Intermezzo』

Hetuに関しては未発表曲で1ヵ月と少し前に初めて送られてきて、仕上げなければならないというものです。(6~7分ほどの難曲!!)
セミファイナル進出者には$500(交通費が$500に達しない人は実費)が支給され、これは滞在費と参加費をまかなえるくらいで、かなり助かります。


優勝のFlorian Larousse(France)は先日のドイツ・コブレンツでも優勝?だったような。
2位のOtto Tolonen (Finland)は昨年の東京国際第3位、3位のAleksandr Tsiboulski (Australia)は2006年の東京国際優勝者、4位のArtyom Dervoed (Russia)は2006年のイタリア・アレッサンドリアの優勝者です。
なんだかすごい顔ぶれなのがわかりますね・・

ちなみに今年の2月に行われたテキサス・サンアントニオのコンクール↓では、フロリアンは3位、優勝のNemanja(セルビア)は今回のGFAでは1次を通過していないのです。
http://www.utsa.edu/today/2009/02/guitarwinners.cfm
コンクールって本当に様々な要素が重なり合って何が起こるかわかりません・・。

Nemanja・・この発音が難しくて、本人の前で「ニャニャニャ?」と何度も聞いてしまいました・・正しくは「ネマーニャ」かな、、アイムソーリー。婚約者は日本人で日本大好きなんだとか。そんな情報いらないですね(笑)



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優勝してごきげんのFlorian Larousse(France)
透き通るような美音となめらかなフレージングで、場内すべての人が吸い込まれたような感じでした。でもドラマがあったんです。彼は課題曲で途中まで弾いて最初から弾きなおし、その後もミスを連発して危ない演奏でした・・・。中国の子が、「中国ではミスをして優勝なんてありえない」と理解できない様子でしたが(笑)確かに日本でもそういうところはあるかも・・でもそれ以外の曲は完璧だったし私はもちろんほとんどの人が納得の優勝です。
「彼は単なるギター弾きではない」と多くの人が言っていたように、音楽性そのものが評価され、「どれだけ多くの人を感動させることができたか」で順位が決まったようなコンクールでした。クラシックギターの音楽レベルもここまで来たんだな・・と感動しました。
しかも彼は昨年GFA優勝のガブリエル・ビアンコと同じパリ・コンヴァトに通う21歳。21歳でここまでの演奏をされたら、もうかないません・・

ちなみに二人とも、今年来年あたり東京国際に来たいと言っていました・・・・。もしかしたら東京で聴けるかもしれませんよ~ ビアンコなんてもうコンクールはいいからコンサートしに来てくれという感じですが(笑)
日本には藤元高輝くんがいるし、今年来年あたりの東京国際は超若者(私的に・・)に独占されるかもしれません。



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Gabriel Bianco(France)
昨年の優勝者ということでコンサートしに来ていました。このフワフワヘアと笑顔がなんとも言えずかわいらしくて、日本で人気者になる日も近いような気がしました。この日は昼間のコンサートの前日だというのに、皆と夜遅くまで遊んで余裕感たっぷり。余裕感といえばフロリアンも、ファイナル前日はiphoneゲームに夢中だし、当日数時間前まで皆でyoutubeの変動画見て楽しんでました・・恐るべしコンヴァト軍団という感じです。



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ドイツのTakeo Satoと2位のOtto,4位のArtyom。
この3人はとても仲良し。Ottoはフランスやドイツに住んだことがあるけどホームシックになってフィンランドに帰ったそう。故郷のフィンランド大好きと無邪気に言うかわいい人です。彼のヘンツェからはフィンランドの大自然の色彩を感じてしまいます。今年も東京国際に来るそうです。
Takeoは東京でも金庸太さんとコンサートをしたことがある人。ギター製作家のお父さんの楽器を試奏させてもらいましたが、音の密度が高くてかっこよく大きな音が出ます。彼は日本語はしゃべれないそうです。
Artyomはオスカー・ギリアに「ロシアのマフィアみたいだな」と言われてましたが、イケメンで目立ちます。でも演奏を聴くとナイーブで繊細な人なんだなと思います。



ところで、ここに参加した世界中の若いギタリストさんたちのほとんどがfacebookというSNSを使っていました。今やメアドの交換なんてせず、みんなこれで連絡を取り合うのが普通のよう。
私も勧められたので早速やってみたら、もうGFAの写真をアップしてくれていたり、東京国際優勝者がいきなりチャットしてきてくれたり、便利です。著名ギタリストのコミュニティページもたくさんあったりと、おもしろい。段違いのアプリ数でユーザーは2億人とも言われているんだとか(友人談)
私はこの業界から身を引いてすっかり疎くなり、知りませんでした。
いつでも世界中の人とつながっているかのよう・・・ほんと、便利な時代です。(続く)


※いいでしょうという範囲で写真は掲載しています。